2022-01-01から1年間の記事一覧

映画:「かぐや姫の物語」(考察その2)

考察その1の続きです。 ・「かぐや姫の物語」は「竹取物語」の謎解きか? 高畑は原作の「竹取物語」の”本質”を裏切りを“換骨奪胎”し、かぐや姫側の物語にスポットを当てる。そこに”隠されているはずの挿話”を掘り起こし、原作では未解決だった数々の疑問に…

旅行:広島(その2)

2日目は呉の大和ミュージアムを中心に歩いた。たくさんの来場者でにぎわっていたが、こちらは平和公園周辺とは違い女性や外国人は少なく感じた。 常設の展示は、呉が明治時代に鎮守府として選ばれたところからはじまり、満州事変、日中戦争、太平洋戦争と続…

旅行:広島(その1)

1泊2日で広島へ行ってきた。十数年前に一度行ったのだけど、悲しいことに内容をほとんど覚えていない。改めて戦争や原爆について知りたいと思い、広島を訪れた。新幹線を使うと広島駅には9時半すぎには到着した。思っていたよりもぐっと近い。 広電に乗っ…

旅行:鳥羽と上高地

・上高地 6歳を連れてのハイキング。1日目は河童橋を起点に梓川右岸ルートで明神池を目指し、左岸で戻るルート。2日目は河童橋を起点に大正池を目指すルート。どちらも登りはほとんどないので余裕だと思っていたら、明神池の途中で子供がぐずりだす。ルー…

映画:「かぐや姫の物語」(考察その1)

・高畑監督は何を考えて「かぐや姫の物語」を作ったのか 「かぐや姫の物語」は受け手によって様々な解釈がされている。ジェンダー、死生観などが典型だろうか。なんとなくつかみどころがなく、底なし沼のように深い(ように私は感じる)この不思議な作品を、…

読書:加藤陽子「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

本書は中高生に行った講義をベースにしている。中高生向けの講義だから、とっつきやすいだろうと思い手に取ってみたが、なかなか難しい。中高生向けでも、歴史の苦手な子を対象にしているのではなく、歴史の好きな中高生向けの内容で、ついていけない授業を…

マルクスは税をどう考えたか?

税理士なので税に関しては人並み以上に関心をもっている。なので「資本論」を読むときも何か税に関する宝物が落ちていないか、ついつい気にしてしまう。不破哲三の「『資本論』全三部を読む」を読みなおして、税について気づいたことを書き残しておきたい。 …

読書:不破哲三「『資本論』全三部を読む」(感想その2)

前回に引き続き不破哲三「『資本論』全三部を読む」の感想です。 『資本論』は“経済学的な結論”だけをとりだして読めば、ある意味ではとてもシンプルな本かもしれない。不破講義を読み直して感じた『資本論』の魅力は、“経済学的な結論”にあるのではなく、そ…

読書:不破哲三「『資本論』全三部を読む」(感想その1)

年末に、不破哲三の「『資本論』全三部を読む(旧版)」を読み始め、先日最終巻を読み終えた。忘れないうちに感想をまとめておきたいと思う。 なぜ不破の「『資本論』全三部を読む」を読み始めたのかというと、斎藤幸平の「人新世の資本論」を読んでいた時に…