災害への備え

災害救助ヘリ(自宅周辺にて) 災害の映像をみると家が家財であふれているものが多い。 豪華な家、大事な家財、貴重品。 これらが非難の妨げになるだろう。 そしてつけ加えるなら脱税。 脱税のたまりは自宅周辺に現物で隠すことが多い。 つまり追徴と災害時…

2023年のビッグブラザー

ビッグモーター、ジャニーズ、宝塚歌劇団、統一教会、自民党。 共通しているのは、 モラルハザード、コンプラ意識の欠如、ハラスメントの常態化、拝金主義。 そしてどれもビッグブラザーを頂点とする全体主義。 日本社会はそんな事例であふれている。 ジョー…

考察:片渕須直の「アリーテ姫」(その4)

(考察その3の続き) アリーテ姫はしばしば自分の手をじっと見て、「自分の中にも魔法があるはずだ」と自分の可能性を信じ、そして行動する。 『アリーテ姫』とはあきらめない少女の物語である。彼女は何をあきらめないかって? 自分自身のことを、だ。 だ…

考察:片渕須直の「アリーテ姫」(その3)

(考察その2の続き) 中年の危機を背負ったアリーテ姫は、原作との距離を広げていく。 ここは原作には申し訳ないところなのだけれど、世界にはそうやすやすと主人公に微笑みかけてもらいたくなどない。ここは厳然と厳しい顔でい続けてほしかった。そういう…

考察:片渕須直の「アリーテ姫」(その2)

(考察その1の続き) 監督のエッセイ「終わらない物語」には「アリーテ姫」について知りたいことがだいたい書いてあった。書かれすぎなぐらい。 終らない物語 作者:片渕 須直 フリースタイル Amazon この本には様々な事柄がとりとめとなく書かれている。た…

考察:片渕須直の「アリーテ姫」(その1)

少し前に片渕須直の映画「アリーテ姫」を初めて観た。ビジュアルやキャラクターがとても素朴で、大げさで派手な演出は抑えられている。それが良い意味で作品を引き立てていた。生きるために大事なメッセージをとても丁寧に語りかけてくれる。良い作品のお手…

インボイス増税と内部留保積み上げ

ローカルな資本論のコミュニティ誌から寄稿の依頼がありました。 当初はインボイス制度についての解説だったものが、なぜか内部留保についても言及してほしいという無茶ぶりを受け、専門外ながら加筆したものです。 備忘としてブログにも掲載しておきます。 …

消費税について(附加価値税、転嫁)

先日とある団体の会員向けにインボイス勉強会の講師をつとめた。 会員のほとんどが高齢の方々だったので、難しい言葉は避け、できるだけ普段の言葉で説明するように心がけた。また免税業者が多いため、まず消費税制度の基本から説明し、その後にインボイス制…

映画:君たちはどう生きるか(感想)

宮崎駿の「君たちはどう生きるか」を先週観てきた。 宮崎駿の映像は嫌いではないが、観終わった後にうっすらとした喪失感が残った。自分の頭の中を整理するためにこの”うっすらとした喪失感”について書き残しておく。 この映画は吉野源三郎の同名小説からタ…

庵野秀明と黒澤明(殺陣の否定、マルチカム撮影)

・殺陣の否定 少し前に「シン・仮面ライダー」のメイキングが賛否両論を巻き起こしていた。僕自身まだ映画を見ていないのでなんとも言えないが、そのドキュメンタリーの中で庵野監督はしきりに次のことを強調していた。 ≪頭の中が殺陣でいっぱいになってる≫ …

映画:「かぐや姫の物語」(考察その4)

考察その3からの続き ・私たち自身の物語 かぐや姫の悲劇は「地球に生を受けたにもかかわらず、その生を輝かすことができないでいる私たち自身の物語」と企画書に書かれている。実際に映画は「生きる」ということが主題として描かれている。おおざっぱに区…

映画:「かぐや姫の物語」(考察その3)

考察その2の続きです。 ・東映動画時代の企画 企画書ではしきりに「隠されているはずの挿話を掘り起こす」、「かぐや姫の本当の物語を探り当てる」と書かれている。「隠された挿話」が何かを探るまえに、東映動画時代の企画をおさらいしておく。当時のコン…

映画:「かぐや姫の物語」(考察その2)

考察その1の続きです。 ・「かぐや姫の物語」は「竹取物語」の謎解きか? 高畑は原作の「竹取物語」の”本質”を裏切りを“換骨奪胎”し、かぐや姫側の物語にスポットを当てる。そこに”隠されているはずの挿話”を掘り起こし、原作では未解決だった数々の疑問に…

旅行:広島(その2)

2日目は呉の大和ミュージアムを中心に歩いた。たくさんの来場者でにぎわっていたが、こちらは平和公園周辺とは違い女性や外国人は少なく感じた。 常設の展示は、呉が明治時代に鎮守府として選ばれたところからはじまり、満州事変、日中戦争、太平洋戦争と続…

旅行:広島(その1)

1泊2日で広島へ行ってきた。十数年前に一度行ったのだけど、悲しいことに内容をほとんど覚えていない。改めて戦争や原爆について知りたいと思い、広島を訪れた。新幹線を使うと広島駅には9時半すぎには到着した。思っていたよりもぐっと近い。 広電に乗っ…

旅行:鳥羽と上高地

・上高地 6歳を連れてのハイキング。1日目は河童橋を起点に梓川右岸ルートで明神池を目指し、左岸で戻るルート。2日目は河童橋を起点に大正池を目指すルート。どちらも登りはほとんどないので余裕だと思っていたら、明神池の途中で子供がぐずりだす。ルー…

映画:「かぐや姫の物語」(考察その1)

・高畑監督は何を考えて「かぐや姫の物語」を作ったのか 「かぐや姫の物語」は受け手によって様々な解釈がされている。ジェンダー、死生観などが典型だろうか。なんとなくつかみどころがなく、底なし沼のように深い(ように私は感じる)この不思議な作品を、…

読書:加藤陽子「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

本書は中高生に行った講義をベースにしている。中高生向けの講義だから、とっつきやすいだろうと思い手に取ってみたが、なかなか難しい。中高生向けでも、歴史の苦手な子を対象にしているのではなく、歴史の好きな中高生向けの内容で、ついていけない授業を…

マルクスは税をどう考えたか?

税理士なので税に関しては人並み以上に関心をもっている。なので「資本論」を読むときも何か税に関する宝物が落ちていないか、ついつい気にしてしまう。不破哲三の「『資本論』全三部を読む」を読みなおして、税について気づいたことを書き残しておきたい。 …

読書:不破哲三「『資本論』全三部を読む」(感想その2)

前回に引き続き不破哲三「『資本論』全三部を読む」の感想です。 『資本論』は“経済学的な結論”だけをとりだして読めば、ある意味ではとてもシンプルな本かもしれない。不破講義を読み直して感じた『資本論』の魅力は、“経済学的な結論”にあるのではなく、そ…

読書:不破哲三「『資本論』全三部を読む」(感想その1)

年末に、不破哲三の「『資本論』全三部を読む(旧版)」を読み始め、先日最終巻を読み終えた。忘れないうちに感想をまとめておきたいと思う。 なぜ不破の「『資本論』全三部を読む」を読み始めたのかというと、斎藤幸平の「人新世の資本論」を読んでいた時に…

和歌山IR・カジノの「看板貸し」疑惑について

和歌山県のIR・カジノ誘致計画が思うように進んでいない。 本命だったサンシティが辞退し、第2候補のカナダのクレアベストと日本法人のクレアベストニームベンチャーズが7月に選定された。 このクレアベストのことを少し調べてみたが、調べれば調べるほ…

マルクスは史的唯物論を捨てたのか?(『人新世の「資本論」』について)

齋藤幸平の『人新世の「資本論」』によると、最晩年のマルクスは「史的唯物論を捨て、脱成長コミュニズム」に到達したらしい。これが証明されれば今までのマルクス観は180度変わることになる。 私にはとても難しい内容だったが、「脱成長コミュニズム」と…